恒例であったお盆の会社のゴルフコンペは延期になって9月になった。
役員より幹事をしてくれない?って言われたが、今回はどうもやる気がおきずお断りし、
最終的に9月13日に決まったのだが、今度はその日は大事なイベントの初日に。

なのでワシはコンペ欠席です。
それじゃいつラウンドするの?と言われても不明です。(笑)



え~またまたゴルフ本の書評コーナーですが、次の本は名ゴルフエッセイストであり、「読むゴルフ」の第一人者である夏坂健さんが、ゴルフ物を書き始める前の食の専門家時代の本で、今から30年前の古ーーーーーーーーーーい本です。

ワシが敬愛し、このブログで30冊以上取り上げてきた夏坂健さんの原点を探るために、純粋なゴルフ書ではないが読んでみたわけです。

最初のゴルフ作品を訳書ながら1989年3月刊「もう、ゴルフは懲りごり―ゴルフにつきまとう不運と災難の記録」を出し、その後の90年代の約10年間で約30冊のゴルフ名作を残した夏坂健さんです。


美食・大食家びっくり事典美食・大食家びっくり事典
(1983/04)
夏坂 健

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講談社刊  1983年4月

<内容>
「この本は、料理書でもなければ食物史の研究書でもない。人物と食卓にまつわる興味深いエピソードを集めた軽い午餐のア・ラ・カルトといったところが狙いである。有名無名とりまぜて<食べる>という視点から歴史上の人物を観察したもので、脂肪とソースとワインにまみれた飽食満腹の健啖家が主人公である。 」

<目次>
 第1章「絶命するまで啖いつづけた男たち」
 第2章「美食に命を賭けたこの人たちの食卓」
 第3章「思いもよらぬ美味は天才が作る」
 第4章「ご存知ですか!?<人間のおいしい食べ方>」
 第5章「精力家のメニュー拝見」
 第6章「「性食同源」という歴史的証言のおかしさ」
 第7章「大芸術家たちのユニークな美食・大食ぶり」
 第8章「菜食主義者は食のために殺さず」
 第9章「鍋の中で象まで踊る中国料理の満腹絶倒」
 第10章「食卓を楽しくするマナーは古代から伝わった」
 第11章「十三日の金曜日に十三人で食事をすると」
 第12章「びっくり「料理書」のオドロキ物語」



この本での夏坂健さんの略歴は、ゴルフエッセイを書き始める前なので、当然の事ながら「エッセイスト、翻訳家。美食からゴルフ、歴史に至る百科事典的ウンチクの広さと深さは、通信社の特派記者時代につちかわれたもの。」と書かれていました。

ゴルフエッセイストとしての夏坂健氏のプロフィールは「讃・夏坂健の部屋」によると、
『1936年(昭和11年)横浜生まれ。 作家、翻訳家。
 「サンデー毎日」「ゴルフダイジェスト」「日本経済新聞」をはじめ、多くの新聞、雑誌に洒脱なゴルフエッセイを連載。そのエスプリ(精神・機知)に満ちた文章は多くの読者を魅了し、高い人気を博している。
 ある新聞は、彼の世界を次のように紹介した。
 『ゴルファーには二種類しか存在しない。すなわち夏坂健の本を読むか読まないか。つまり知性的か非知性的か、彼の本はバロメーターとされる』
 毎年フランスで開催される「ゴルフ・サミット」に、アジアからただ一人招聘され、海外の雑誌にも寄稿している。年に何度もスコットランドをはじめ諸外国を訪れ、収集した膨大な資料をもとに、「読むゴルフ」の愉しみを日本人に伝え続けた。2000年1月逝去。 享年65。 最盛期のハンディ2。』

そして最初のゴルフ物である「もう、ゴルフは懲りごり・・・・・」の略歴には、 『翻訳家・編集者。NHKの「ベストゴルフ」や「最新ゴルフ百科」の編者。主な著書に「美食大食家びっくり辞典」や「食卓の愉しみ」など。』とあり、

また児玉清さんとの不思議な関係は、NHKの杉原輝男プロのレッスン番組(「ベストゴルフ」)に出演したときに、杉原プロのサポート役だった夏坂健氏と出会って、その後夏坂健氏の執筆していた「ゴルフコース訪問記」に児玉さんも同行してゴルフを通じて親しい付き合いが始まったらしい。(ちょっとしたウンチクです。笑)

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夏坂健さんは1990年代の約10年間に何かにせかされるようにゴルフエッセイを書き続け、2000年1月19日午前6時32分、心不全のため65歳で東京の病院で亡くなられて、2000年4月3日朝日新聞夕刊でのその追悼記事は、

『「するゴルフ」と「見るゴルフ」しかなかった日本のゴルフ界に「読むゴルフ」を持ち込んだ。世界中のゴルフ場を訪ねた体験と膨大な資料を基に、原稿を書き続けた。
 通信社の特派員、雑誌編集長を経て文筆活動に入り、料理に関する本を書いていた。1982年心筋こうそくで倒れ、電気ショックで蘇生する経験を機に、「趣味と実益の一致こそ究極の人生」とゴルフジャーナリズムの世界へ入っていく。
 「大英図書館に行くと、ゴルフ関係の索引が五メートルもあって、えらい世界に踏み込んだと思いましたよ」 ほこりよけの手袋、マスク、小型コピー機、ルーペを持って英国各地の図書館を回った。漫画家の黒鉄ヒロシさんは「資料のもとをたどるといつも夏坂さんに行き着く。この人は何者だ、という方でした」。
 ペンネーム「夏坂健」は「夏は書けん」から取ったと言いながら、「ゴルファーを笑え!」「ゴルフへの恋文」など十年あまりで三十冊近くを著した。
 「百年は書ける資料を集めた。早く死ぬわけにはいかない」「墓はいらない。著作が墓だから」。いつも死を意識して執筆した。98年暮れ、二度目の心臓手術の際の検査で肺にがんが見つかった。一時はハンディ2だったゴルフに支障がないよう、三本取るろっ骨を二本に減らした。
 死の前日ぐらいから、何かすてきなことを考えている表情になったという。ベッドの上で「ヘロー・ヘロー」とつぶやいた。同じ組の友達に「こんにちわ」(HELLO)とあいさつしたのか、「君、君」(FELLOW)と呼びかけたのか。あるいは「追い風だな」(FOLLOW)と風を読んだのか。
 そのとき夏坂さんは、一番愛したスコットランドの1番ティーグラウンドに立っていた。氏を知る人はみんなそう思っている。』

健さん


え~、肝心のこの本の内容に戻すと、この本は作者夏坂健さんが在京各大使館の文化・広報担当を口説き落として、各国の図書館などからあれこれコピーを郵送してもらったものにスパイスを効かせ、月刊誌「現代」1982年新年号から連載した「食におぼれた男たち」のエッセイを加筆修正したもの。

著者いわく、「この本は料理書でもなければ食物史の研究書でもない。古今東西の皇帝から豪傑、哲学者・音楽家など歴史上の美食家、大食漢だった人物と食卓にまつわる古今東西の興味深いエピソードを集めた軽い午後のア・ラ・カルト」

そして帯には「飽くことなき美味の探求!!倦むことなき大食の情熱!!世界の美食と大食の歴史こそは、まさに文化史の髄を占めるもの。表面の政治や経済をも揺さぶってやまない食への情熱こそ文化なのだ。」の言葉。

内容は、カキを1食で千二百個も食べたローマ皇帝チベリウス、朝食が72皿・夕食が95皿・夜中10皿の大食漢ルイ14世、弟子の塩辛を食べた孔子や人間を両脚羊と呼んで常食する喫人の中国、各国人種の味比べ1位はオセアニア人のもので柔らかくクセがなく肉汁もタップリ、オールド・パー爺さんの128歳の絶倫度や色事師カサノヴァの好きな食べ物はマカロ二のパテ、キノコ食べ食べ五千人もの売春婦をつれ歩いた十字軍、アポリネールの本物志向的睾丸料理、モーツァルトの好物は黄身6個、ヘミングウェイとフィッツジェラルドの味覚比較、李白は50年間オツマミなしで1日六升飲み続けた、なぜポパイはほうれん草なのか?菜食主義の祖はソクラテス、彼女専用のカマドが五十座で一度の食事で二百皿の西太后、ナポレオン・ビクトリア女王・二クラウスのジンクスなどなど。

これでもか!というような世界の偉人達の大食美食ぶりにゲップが出そうで、一つ間違えば大ぼら吹きのゲテモンに近いような内容ですが、ゴルフと同じく食にとりつかれたバカ達どもの足跡探求です。(笑)

絶対なにかしらのネタ本がありながら、参考文献名を書かないのは、その中から夏坂氏の心に触れたエピソードだけを深く掘り下げ、夏坂流のエスプリや人生観を加えると、全然違うものになるために、食材は同じでもコックが違ったり料理法次第でまったく別の料理になるのと同じく、これが夏坂流の参考文献不明記の真相だと思うな。

そして後年に著作のタイトルにもなった名言「ゴルフを以って人を観ん」が、この本の中では「食を以って人を観ん」と書かれており思わず微笑ましく感じてニヤリとしてしまったな。(笑)

ワシは30冊以上夏坂健さんの書籍を読んできて最後に夏坂健作品の特徴をまとめると、「地球ゴルフ倶楽部」の書評 にも書いたのだが、

tikyuugolfclub.png

夏坂さんの文章は名人の落語を聞いてるようで、まず枕(前フリ)があり、そこから次第に本題のゴルフに憑りつかれた人間模様に入っていくユーモアある語り口と優しい視線が絶妙ですな。

ただこの美食本に関していえば、後のゴルフ本に比べエピソードの羅列に忙しくて少し深さが足らないです。

え~ワシのこのゴルフ本?(食本w)の評価は★★★です。(満点は★五つ)

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