オフシーズンになり、別に来年のために練習をするわけではなく、またまたグダグダとゴルフ本の書評を書き連ねていくわけで、確かに来年のゴルフ方針も確定しつつあっていずれここに書く。

まっ、いま現在は腰痛と左人差し指の爪が割れているためゴルフ練習も出来ない状況で。(笑)




先月読んだ三田村昌鳳氏のゴルフ書ベスト10という記事から知ったゴルフ書です。
20年前のゴルフ本で、本の中に出てくるトーナメントも消滅していて隔世の感はありますが内容は色あせていないですな。
ボギーマン
ボギー・マン (シリーズ・ザ・スポーツノンフィクション)

「ボギー・マン」 ジョージ プリンプトン著 1989年1月 東京書籍

「人気No.1スポーツライター・プリンプトンの、七転八倒プロゴルフ・ツアー日記。
キャディは浮浪者みたいだし、パートナー・プロは怒って切株をドライヴァーでひっぱたく。この18ホールの地獄を制する日はくるのか。それにしても、我々はなぜこれまでしてゴルフを続けるのか?
著者は実体験でのプロスポーツシリーズで有名で、後のスポーツノンフィクションライターたちにも大きな影響を与えた。」

著者ジョージ・プリンプトンの紹介
「文芸誌《パリス・レビュー》の初代編集長。「スポーツ・イラストレイテッド誌」の常連ライターとして、アマながら自らプロフットボール・チームに選手として加わり、体当たりの取材で書き上げた『ペーパー・ライオン』がベストセラーとなり、その他プロスポーツ(野球・ボクシング・アイスホッケー)の体験的ジャーナリズムの旗手として活躍。そのかたわら、俳優として映画やテレビにも多く出演している。」


これは、ひとことで言えばプロゴルフトーナメントの中でいちアマチュアが、表裏あちこち彷徨いながらゴルフの奥深さを知る話ですな。興奮と落胆、そしてプロゴルフの奥を知る本でした。


ハンディ18の著者がPGAゴルフサーキットの3つのトーナメント(ビング・クロスビー、ラッキー・インターナショナル・アト・サンフランシスコ、ボブ・ホープ・デザート・クラシック)のプロアマに参加した1ヶ月間の夢のような悪夢のような体験を、その時に記録していた断片的な日記を下敷きに書いたノンフィクション小説。

このプロアマは日本の1日のプロアマと違い、ちゃんとプロと4日間プレーする真剣なプロアマでその苦悩は多く、いちアマチュアヘッポコゴルファーがプロと観客を前にプレーするプレッシャーとそのダメぶりを書いた妙におかしいストーリーというわけだ。

まず最初に驚かされるのが著者のゴルフに対する変な妄想と珍妙な話の数々。

著者がミスショットする時の妄想イメージが、「自分の肉体がボイラー室や計器類がある巨大な機械ながら、それを各所で運転するのが、ずぼらでやる気もない変人やアル中、そして日本海軍提督達で、それぞれが好きな命令や適当な操作をしていて、たまに突如としてボールの上にゴキブリか甲虫が出現してくる。」という妄想。

この本はこの出だしからもわかるように一筋縄では説明できない珍妙な小説ですな。(笑)

そしてミスショットを繰り返しプライドが崩れボロボロになっていく著者の心理描写と、その中でプロやキャディたちとかわすゴルファー談義。

例えばトミー・ボルト他のプロゴルファーの癇癪持ち列伝や、世界中のゴルフの珍記録・珍事件を集めた「ザ・ゴルファーズ・ハンドブック」からのなんともおかしい逸話の数々で不思議なムードを味わせてくれますし、変なプレーをしてプライドがズタズタになってこの与太話に熱中する著者。

トーナメントツアーの高揚したムードの中で場違いのヘタが、あっちにいってグダグダ、こっちにいってグダグダと話すことでプライドを回復しようとすることとか。

ゴルフは著者がプレーが終わったあとの満足感・一体感など体験してきた他の団体プロスポーツと違い、ゴルフのたった一人で完結してしまう(しまわないといけない)孤独と寂しさを浮き彫りにしていますな。

この夢のような悪夢のような1ヶ月間を体験して、著者は上手くなったのか?下手になったのか?
それはわからないけど、ゴルフは人を哲学者にもする。わけだ。

これは変わったゴルフノンフィクション小説でした。
なんせ著者が変人。(笑)

しかし、これほどプロトーナメントの裏側をライターの目から書いた妙な本はないですな。
読んでみて、これが後のスポーツノンフィクションライターに与えた影響の大きさも、さもありなんと感じさせますな。

ちなみに「ボギー・マン」とは「おばけ」の意味らしいですな。
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